ヒップホップの教師のブログ

ヒップホップの教師ではありません

SSSS.GRIDMAN 4話のメタファーについて

主人公・響裕太の記憶がない現4話時点、物語(ドラマ)の根幹を探っていこうと思ったときに響&グリッドマンの観点で掘り下げていくことは不可能ではないかと思われる。

そんな中今回の4話は、エンディングムービーで明らかに示されていたアカネと六花の関係性の話だった。この関係性が後半キーになるというキャストの声も聞く。

まあ本編を見た人はそんなことは当たり前に知っているだろう。

本題に移り、4話の構図、画面から感じたメタファーについて記していく。

実際のシーンを踏まえつつ見ていこう。

 

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ドアを中心線として二人は線対象な構図の両端にいる。

二人の間には“間”がある。

 

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3つに並ぶ背景のビル。真ん中の一つは明らかに低く不自然な溝を作っている。

先の“間”は確かな“溝”であることのメタファー。

 

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横にアカネが座ると思って奥に詰めて座った六花。

当たり前のように横に座らない、後ろに座ったアカネに思わず六花は「あっ」と声を漏らす。

二次元的にみるとまるで二人は並んで座っているような構図だが、実際には近くない。

 

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二次元的にも六花とアカネの間に手すりの棒が割って入る。

明らかな間が生まれる。

 

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2人の本音(?)の会話はここまで。

 

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終わらせたのはアカネ。アカネがいつもの外の仮面をかぶりなおして当たり障りのない会話に戻る。

 

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はっす達に大学生との合コンに誘われるシーン。

画面の半分以上を隠しているのは靴箱とそこに張られる「NO! 外出!」のポスター。

六花の「行きたくない、けど友達の誘いをすぐには断れない」という信条のメタファー。

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同じシーンの次のカット。

SNSで出会った相手と気安く会ってはいけませんと六花たちに言いたげな、制作陣の心の声ともとれる。HIVのポスターも女子高生と男子大学生の合コンにどのようなイメージを持ってるか分かる。同人誌っぽい思考だ。好き。

 

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どうとでも取れる。後ろの小物はキャリバーたちのメタファーにも思えるし、2個ずつある小物が六花がアカネと二人で遊びに行けることばかり考えていることのメタファーともとれる。もちろんよく出てくる場所なので全く意味はないとも考えられる。

 

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お皿が2+1枚にコップが一つ、スプーンが2つ。

ボラーがコーヒーを、サムライキャリバーとマックスがケーキを、ヴィットがパンを食べたのだろう。リアリティーがある。

 

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合コン始まって早々「ついていけない」という六花に「私も」と相槌で返すアカネ。

同じ気持ちの二人のように見えて、アカネには旗がさし顔が半分隠れている。

半分は同じ気持ちだが、アカネは半分は六花とは違うことを考えている。

 

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はっすが安い女なんて誰が言った。

まあマスクしてるということはコンプレックスがあるので、あながち否定はできない。

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なみこ「私のことお持ち帰りして~~!!」

 

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六花のリュックはアカネのカバンに寄り掛かる。

六花はアカネとの距離を縮めたい。

 

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4つのプラグ。刺さってる3つと刺さっていない一つ。

女子高生4人のメタファーか。一つの方がきっとアカネ。

 

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赤信号の踏切に「ここまで」の標識。

響のメタファーか。

こういう表現手法は最近では『宇宙よりも遠い場所』であった。

 

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何でもないはずなのにかっこいい構図。

ミスドのあの微妙に曲がった椅子の曲線をこんな風に使うとは。さすがである。

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アカネは六花のことも殺す・死んでいいと考えている。



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 日の当たる場所にいる大学生と日陰にいる六花。

六花の必死の訴えに大学生は「分からない」と返す。

裏の世界、怪獣の存在を知らない側(一般人)と怪獣を知る側(関係者)との対比、またそのメタファー。

しかも一般人の役が、世間で芸能人(非一般人=関係者)のようにふるまっているYoutuberの大学生。皮肉が効いている。

 

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斜めの横断歩道は何を暗示しているのだろうか。

ただのロケ地の再現かもしれない。斜めの横断歩道かっこいい。

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がれきの電柱がまるで枯れた翼(時間切れ)のようにも見えるアンチ。かっこいい。

 

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「一気に行け、俺」と意気込み、コーヒーを一気に飲み干し六花にアタックする響。

詰めが甘く、本当は2人で行きたかったのに、それをかわされてしまう。

一気に飲んだコーヒーも、よく見るとそこに少し飲み残しがある。

響の思い切りのできていない心のメタファー。

マックスならきっと最後の一滴まで飲み切る。

 

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 この話のラストに「私のせい、かな」と自分と怪獣との関係性に疑いの目が至るシーン。4話のタイトルは『疑・心』。

窓から見えるのは謎の怪獣。そして窓に張られた非常口マーク。

そういえば六花がいつも座る席はバスの中でも一つしかない(?)非常口前の座席。

怪獣の発生は六花の退屈な日常からの逃避したいという無意識、または今は忘れた昔の願いだったりが関係していたりするのだろうか。いらない考察が入ってしまった。

まあこのシーンが何かを表しているのだろう、程度に留めておこう。

 

 

いかがだっただろうか。

戦闘シーン等のかっこいいシーンなどは出せばきりがないのでここでは出さなかった。

あくまで画面に隠れるメタファーの視点で見ていったが、それだけでこんなにもあった、一個の話中にだ。

こんな素晴らしいアニメの今後の展開が気になるのは当たり前だし、何より一人では気づけないような良さもまだまだ多く隠れているだろう。

もしこのブログを読み、あわよくば共感してくれた人がいたなら、ぜひとも一緒に僕らの好きなアニメ『SSSS.GRIDMAN』について語り合おう。

 

「それじゃとりあえず同盟を結ぼうか」

(終)

映画『ペンギンハイウェイ』のアオヤマ君はお姉さんにまた会えるか?

映画『ペンギンハイウェイ』のアオヤマ君はお姉さんにまた会えるか?

前書きとして、今から述べられることはアニメーション映画『ペンギンハイウェイ』についての“評論”ではなく私の“解釈”であり、
それも特に物語(ドラマ)性についてのことがらであることをここに記しておく。


映画『ペンギンハイエウィ』が『鏡の国のアリス』をモチーフとした作品であるということは特に隠されている事ではない。
ここで根拠をあえて述べるとするなら、
・作中のいたるところで出てくるチェスの存在
・唐突な『ジャバウォック』の登場
等挙げられる。
なぜならそう、この物語は『鏡の国のアリス』の骨格はそのままに、そこに制作(原作)者の解釈とアレンジが加えられたもの、
いわば制作者の作り出したキャラクター達にSF版『鏡の国のアリス』を演じさせたアニメーション演劇であるからだ。

演劇と言うとそれぞれの人物にそれぞれの役があてがわれる。
結論から言うとこの物語においてアオヤマ君は『赤の王』の役でありお姉さんは『アリス(白の女王(キング))』の役である
まずは『ペンギンハイウェイ』と『鏡の国のアリス』の物語的骨格について時系列に沿って話していこう。

 

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月ノ美兎ちゃんが、好き!

どうも、ヒップホップの教師です。

 

 

皆さん、もう知っている方も多いとは思いますが、

バーチャルYoutuber月ノ美兎をご存知でしょうか?

僕は今この、月ノ美兎ちゃんが…好き!

まずは彼女がどういうキャラなのか、実際に動画を見てもらいたいです。

 


月ノ美兎の雑談生放送(1)

 

映画研究部に所属しており、映画や漫画などのサブカルチャーに造詣が深い。 
Mirrativでの初回配信では視聴者の質問コメントを拾い、ムカデ人間を見たことがあると発言し、あらすじを詳細に説明するなど、初回から自称している「清楚」とは程遠いキャラクターを発揮。 
ゲーム実況の際には、ヨーロッパ企画の実写ゲームムービーという謎のチョイスをし、登場キャラクターに対して「クソ雑魚パンチやめてください」「うるせえ…死ね…3分とは言わずに今死ね…!」を始めとするキレッキレの鋭いツッコミをしてみせた。 
またYouTubeでの第一回雑談生配信では、実家の洗濯機の上にMacbookを載せて、中腰で生放送をしているという衝撃のスタイルが判明。 (ピクシブ百科事典より引用)

 

動画はどれも長いので、とりあえずどこでもいいので3分見てみてください。

特に雑談配信が、おすすめ!

どうでしょうか。

ちょっと気を抜くとこの一時間越えの動画をいつの間にか見終わってしまう彼女のトークの面白さがすごい。

それに、およそ10代やそこらではありえない、好きな作品から派生してクリエイターの名前まですらすら出てくるオタク文化への知識の豊富さ。

初めてのゲーム実況でFlashゲーをチョイスする、ネット原住民的感覚。

どこを切り取っても、好き!

挙げだしたらきりがないですが、ここからは僕が好きな委員長 (月ノ美兎) の放送上でのセリフを挙げながら彼女の魅力を伝えていきたいと思います。


今敏では『妄想代理人』が好きですね」
まるで「アニメ文化史は理解してて当たり前ですよね」と言わんばかりのこのセリフ。
「『lain』やガイナ系列のアニメは知ってて当然なのであえて言いませんが、私は作画よりシナリオを重視するタイプです」という彼女の心の声が聞こえてきますね。
 
「ギャルゲは数本やったことがあります」
相手は女性なのでここで「じゃあお前、『同級生』やったの?」とマウントを取りに行くとセクハラになってしまうので、実質死角はありません。
 
「皆さん知ってますよね?ちゆ12歳。さんがバーチャルYoutuberになったって!」
さらっと自分が最低でも10年来のオタクであることを示しつつその後、「『ゼノグラシア』のレビューだけ見たことあるんですけど」と、最近の二次元アイドルブームに関してもしっかりとした知識がある事を示し、マウントを取る隙を与えません。
 
「ジャンプ作家なんだあの人。すっご~い!」
お絵描きソフトを使いこなす様からみても、たぶん委員長は〝作る側〟になったことがある人。好き。
 

・ネギ姉さん等WEBマンガの数々や、『丸尾末広等々ガロ系作家のに至るまでのネタがすらすら出てくる。

 明らかに感じるオタクとしての歴の長さ。Twitterなど昔は無い。

恐ろしくマイナーなネタ、俺じゃなきゃ見逃しちまうね。

 

・「皆さん〝量子論〟って知っていますか?」

オタクは形而上学が、好き!

 

・「世界が終わる3分前って、海ってたぶん人でびっちり埋まってますよね」

オタクは天邪鬼!

 

 バーチャルYoutuber含め実況者全般に対し感じるリスペクトの心

もう…好き…。

 

 

 

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大宰府と友人の話

どうも、ヒップホップの教師です

 

新年も明けてもう半月ほど経ちましたが皆さんどのようにお過ごしでしょうか?

僕はある事情により福岡弾丸縦断旅をしてきたところなので、今回は前置き無しにその旅について皆さんに話したいと思います。

 

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アネモネと性癖の話

どうも、ヒップホップの教師です。

 

 

先日、エウレカセブンの劇場版リメイクが公開されましたね。

 


映画『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1』予告編

 

 

エウレカセブンは僕が深夜アニメにはまりいわゆる「オタク」になってしまう前からみていた数少ないアニメ作品の中の一つなので、感慨深いものがあります。

たしかエウレカは日曜5時枠でしたよね。確か。

それに当時小学生低学年だったにもかかわらず、エウレカセブンのせいで初めてアニメのキャラに性的興奮を感じたのを覚えています。

アネモネで精通した」という人は同年代なら少なくないのではないでしょうか。

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  「キモイ…」

 

僕は心では精通したつもりなのですがいかんせん体がまだ小学生低学年だったので…

この少し後無事『ハヤテのごとく』のヒナギクで精通しました。

ここから二次元ヒロイン沼にずっぷりはまっていくわけですね。

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おっとこれは…

僕の汚い性癖の一端を露呈してしまいましたね。

 

 

 

 

話をアネモネに戻します。

当時小学生低学年でまだアニメヒロインにも全く慣れていなかった僕にとってアネモネは衝撃的でした。

まあその『メンヘラ』っぷりもさることながら、一番衝撃的だったのはこのシーン

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好きなのかどうかいまいち分からないドミニクに『キス』をするんですよね。

しかもあの『キス』をしているのにこの

 

当時子供だった僕は困惑しましたね。

「キスは幸せなもの」や「キスは好きな人とするもの」とばかり思っていたのに、物語で一番可愛い子がこんな嫌そうにキスをしている。

今であればアネモネがあからさまにドミニクに気がある事が分かりますが、

小学生にそこまでの理解を要求するのは酷と言うものです…

当時は本当にどういう意味なのか全く分からずにただぐるぐると考えてはこのシーンだけ繰り返し再生しもんもんとしていました。

 

 

アネモネの魅力はそれだけではもちろんなく、視聴者を惑わすメンヘラ言動の数々もさることながら、このシーン

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あんなに視聴者やドミニクを振り回しまくっていたアネモネが逆にもっと大きな存在に振り回され、こんな被虐的な顔をしている…。

『精通』どころかそのまた1枚奥の扉まで開かんばかりのこの魅力。

『性癖』と言う概念を知るのはこの数年後です。

当時「オナニー」も知らない僕は、この心の奥から湧き出るこの熱い感情のやり場が分からず、ただただやりきれない思いをしたものです…

 

 

こう思うと僕が人生で初めて『女性』に触れたのは同級生でも現実の女の人でもなく、

アニメの『二次元の少女』だったわけですか。

しかもこれは多分同じく当時見ていた同年代の多くにも当てはまるはず…

アネモネはあのころ子供だった多くの視聴者に、二次元の少女を愛しか愛せなくなる『オタクの呪い』を刻み付けたわけです。

しかもそれどころか多くの少年たちの『性癖』を歪ませた…

余りにも業が深い女、アネモネ

 

 

 

と言うかそもそエウレカセブンはタルホさんの元カレがデューイだったりホランドの元カノはレントンの姉ちゃんだったり、メインヒロインであるエウレカホランドと関係がありそうだったりと、『処女』しょの字もない入り混じった男女関係。

人生で初めて触れる恋愛物語にしては余りにもハードモードでしたね。

 

 

 

あ、これは余談ですが今さら見ると39話のあのサッカー回は正直作画手抜きですよね…

同じドリブルシーン何回繰り返してんだ…

まあ4クルールぶちぬきなんて今も昔もなかなかないですから。

 

 あ、あと性癖繋がりで言いますが

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』のOPのこのシーン、めちゃくちゃエロいですよね。

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僕は断然胸派だったのですが、当時これで初めて尻で射精しました。

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』のOPはエロと映像としての美しさを両立させていて僕のお気に入りのOPの一つです。

 

 

 

 

話がそれました。

まあ僕の表現力ではたぶん伝わり切れていないと思いますが今回何が言いたかったというと、エウレカセブンは当時の僕らに多大な影響を及ぼし、

あの頃から僕らはずっとアネモネの被害者なのだ

と言うことです。

そんなアネモネのいるエウレカセブンがまた見ることができるということはとても楽しみです。でもたぶん「1」にはアネモネは出てこない…

 

AOの件もあって話としての出来としては不安な面もありますが、見ないと話は始まらないですから。

たぶん見た後感想はブログには特に書かないと思います。

流行のアニメの感想については、オタクの中では必ず争いが起こってしまいますからね。

久々に好きな物についての話ができて今回は結構満足しました。

終わりです。